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プレコンセプション健診とは?月経痛・貧血・子宮内膜症リスクを早期に知る大切さ
先日、日本産科婦人科学会学術講演会(札幌市)にて、山梨大学医学部附属病院の小野洋輔先生による 「月経異常・子宮内膜症・プレコンセプションケア」に関する大変興味深い講演を拝聴しました。
特に印象的だったのは、月経異常をきっかけに、将来の不妊症や妊娠合併症のリスクを早期に拾い上げる という考え方です。
プレコンセプション健診とは
プレコンセプションケアとは、将来の妊娠・出産を見据えて、妊娠前から女性の健康状態を確認し、 必要に応じて生活習慣の改善や治療につなげていく考え方です。
「今すぐ妊娠を考えている方」だけが対象ではありません。 将来の妊娠の可能性を含めて、若い世代の女性が自分の体を知るための大切な機会といえます。
月経痛や過多月経の背景に、子宮内膜症が隠れていることがあります
子宮内膜症は、強い月経痛や過多月経、慢性的な下腹部痛の原因となることがあります。 また、不妊症との関連もよく知られています。
近年では、子宮内膜症による骨盤内の炎症や子宮内環境の変化が、着床不全、流産、前置胎盤、早産、 妊娠高血圧症候群などの産科合併症に関係する可能性も指摘されています。
つまり、月経痛や月経量の多さは、単なる「体質」や「よくあること」として片づけず、 将来の妊娠・出産に関わるサインとして評価することが大切です。
山梨県で行われているプレコンセプション健診の取り組み
講演では、山梨県で行われているプレコンセプション健診の取り組みが紹介されました。 対象は18歳から39歳の女性で、月経の状態や貧血、卵巣機能の指標であるAMH値などを確認し、 将来の妊娠・出産に影響しうるリスクを早い段階で把握する内容です。
特に以下のような項目は、子宮内膜症リスク群として評価されていました。
- Hb 12.0 g/dL未満の貧血
- 月経量が多い、いわゆる過多月経
- 月経痛が強い状態
これらは日常診療でも非常に重要な視点です。 月経痛、過多月経、貧血を早めに拾い上げることで、子宮内膜症の早期発見や早期介入につながる可能性があります。
子宮がん検診だけでは拾いきれない若い女性の婦人科リスク
従来、若年女性が婦人科を受診する機会は限られていました。 子宮がん検診はもちろん大切ですが、20代・30代の女性にとっては、 「自分にはまだ関係ない」と感じられることも少なくありません。
一方で、プレコンセプション健診では、がん検診だけでなく、月経痛、過多月経、貧血、卵巣機能、 子宮内膜症リスクなどを含めて、より広い視点から女性の健康状態を確認できます。
これは、若い世代の女性に婦人科をより身近に感じていただくきっかけにもなります。
月経異常は、将来の不妊症や妊娠合併症のサインかもしれません
月経痛を我慢している方、月経量が多いことを体質だと思っている方、健診で貧血を指摘されても放置している方は少なくありません。
しかし、その背景に子宮内膜症が隠れている場合があります。 子宮内膜症は、不妊症の原因となることがあるだけでなく、妊娠後の早産、前置胎盤、妊娠高血圧症候群などの 産科合併症との関連も報告されています。
そのため、症状が強くなってから受診するのではなく、 月経異常がある段階で早めに婦人科で評価することが重要です。
当院では、将来の妊娠・出産を見据えたプレコンセプション健診の一環として、ブライダルチェックを行っております。
若い世代の女性に婦人科をもっと身近に感じていただくため、当院ではプレコンセプションケアの大切さを広めていきたいと考えています。
子宮がん検診だけでは受診のきっかけを持ちにくい若年層の方にも、
「将来の妊娠・出産に備えて、今の自分の体を知る」
という視点で、気軽に婦人科を受診していただける健診を目指しています。
プレコンセプション健診/ブライダルチェックでは、以下のような内容を組み合わせることで、より実用的な婦人科チェックが可能になります。
- 月経痛の程度の確認
- 月経量、過多月経の評価
- 貧血の有無
- 子宮内膜症リスクの確認
- 卵巣機能に関する検査、AMHなど
- 必要に応じた超音波検査
- 妊娠前の生活習慣や栄養状態の確認
将来の選択肢を守るために、今の体を知る
プレコンセプションケアは、妊娠直前の準備だけを意味するものではありません。 将来の妊娠を希望する可能性がある方はもちろん、今は妊娠を考えていない方にとっても、 自分の体の状態を知ることは大きな意味があります。
月経痛、過多月経、貧血などは、日常生活のつらさだけでなく、 将来の妊娠・出産に関わる重要なサインである場合があります。
「月経痛は我慢するもの」 「月経量が多いのは体質」 「若いから婦人科はまだ早い」 と考えず、気になる症状がある場合は早めに相談していただきたいと思います。
まとめ
プレコンセプション健診は、若い女性が自分の体を知り、 将来の妊娠・出産に向けたリスクを早めに把握するための大切な取り組みです。
特に、月経痛、過多月経、貧血は、子宮内膜症の早期発見につながる重要なサインです。 子宮内膜症は不妊症だけでなく、早産や妊娠高血圧症候群などの産科合併症との関連も考えられており、 早期の評価と対応が大切です。
当院でも、子宮がん検診にとどまらず、月経、貧血、卵巣機能、子宮内膜症リスクまで含めた 新しい婦人科健診の形を検討してまいります。
こすぎレディースクリニック
院長 椎名 邦彦
月経痛・過多月経・貧血が気になる方へ
強い月経痛、月経量の多さ、健診で指摘された貧血などがある方は、 子宮内膜症などの婦人科疾患が隠れている可能性があります。
こすぎレディースクリニックでは、月経トラブル、子宮内膜症、不妊症、妊娠前の健康相談など、 女性のライフステージに合わせた診療を行っています。
将来の妊娠を考えている方はもちろん、今すぐ妊娠を予定していない方も、 ご自身の体を知る機会として、婦人科での相談をご検討ください。
月経痛や貧血を「いつものこと」と思わず、お気軽にご相談ください。



