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高配合マルチビタミンを、なぜ医療で用いるのか
「マルチビタミンなら、市販のものでもよいのではありませんか?」
外来で、患者さんからこのようなご質問をいただくことがあります。
たしかに、ドラッグストアなどで購入できるビタミン剤にも、ビタミンB群やビタミンCは含まれています。
しかし、医療機関で用いる高配合マルチビタミンは、市販の一般的なビタミン剤とは、目的も、配合量も、役割も異なります。
市販のマルチビタミンの多くは、毎日の健康維持のために、不足しがちな栄養素を補うことを目的とした“基本量”の設計です。
一方で、高配合マルチビタミンは、単なる栄養補給にとどまらず、より積極的に体調を整えることを意識して用いる栄養サポートです。
同じ「ビタミン」でも、日々の栄養補給を目的とするものと、
不調の改善や体調管理を意識して用いるものでは、考え方が大きく違うのです。
普通のビタミン剤と、何が違うのでしょうか
もっとも大きな違いは、配合量です。
当院で扱う高配合マルチビタミンは、市販の有名なA社の一般的なマルチビタミンと比較すると、特にビタミンB群において、数十倍から約100倍前後、成分によってはそれ以上の量が配合されています。
そのため、価格だけを見ると市販品より高く感じられるかもしれません。
しかし、実際には、単純な販売価格だけで比較するのではなく、どのくらいの量が、どのような目的で配合されているかをみることが大切です。
高配合マルチビタミンは、市販のマルチビタミンの延長線上にある商品というより、
医療的な意図をもって用いる、濃度の高い栄養設計のサプリメントと考えるほうが適切です。
なぜ医療で「高配合」が必要になるのでしょうか
ビタミンB群は、体の中でエネルギーをつくる働きに関わるだけでなく、神経の働きや、心身のバランスを保つうえでも重要な栄養素です。
現代では、忙しさやストレス、睡眠不足、食生活の乱れなどにより、必要な栄養素を十分に摂れていない方が少なくありません。
また、摂れていたとしても、体調や生活背景によっては、通常以上に栄養素が消耗されていることもあります。
分子整合栄養医学の考え方では、
PMSによる気分の落ち込み、感情の起伏、神経過敏、うつ傾向、原因のはっきりしない不調に対して、ビタミンB群を十分量補うことには意義があると考えます。
特にビタミンB群は、神経伝達物質の働きやエネルギー代謝に関わるため、月経前の心身の不安定さや、慢性的な疲労感、回復しにくさを抱える方において、栄養面から体を支える大切な要素になります。
もちろん、すべての不調がビタミンだけで説明できるわけではありません。
PMSや気分の変動には、ホルモンの変化、睡眠、ストレス、鉄不足、生活習慣など、さまざまな要因が関係しています。
それでも、医療の現場では、そうした背景を丁寧にみながら、必要な栄養素を適切に補うことが、症状改善の助けになる場合があります。
基準値どおりの量では足りないことがあるのです
市販のマルチビタミンは、日常生活の中で不足を補うには有用です。
ただし、その多くは健康な方が毎日不足しないように補うための量をもとに作られています。
一方で、医療の現場で問題になるのは、
「不足しないかどうか」だけではなく、
不調を改善するために、今の体にどれだけ必要かという視点です。
疲れやすい、気分が不安定、月経前に不調が強くなる、ストレスが多い、体調がなかなか整わない。
こうした方では、基準値レベルの補給だけでは十分でないことがあります。
先日、患者様から『こちらのサプリメントを普段飲んでいます』と教えていただき確認しました製品が
下記、A社のサプリメントでしたが、当院の扱い製品と比べて配合量の違いに正直、驚きを隠せませんでした。
ここに、医療で高配合を用いる理由があります。
A社と当製品の配合量・価格比較表
|
成分 |
A社 マルチビタミン 1日量 |
高配合マルチビタミン 1日量 |
配合倍率 |
A社基準での理論30日価格 |
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|
ビタミンB1 |
1.2mg |
100mg |
約83.3倍 |
約31,042円 |
|
|
ビタミンB2 |
1.4mg |
100mg |
約71.4倍 |
約26,607円 |
|
|
ビタミンB6 |
1.3mg |
100mg |
約76.9倍 |
約28,654円 |
|
|
ビタミンB12 |
2.4µg |
500µg |
約208.3倍 |
約77,604円 |
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|
ナイアシン |
13mg |
100mg |
約7.7倍 |
約2,865円 |
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|
パントテン酸 |
4.8mg |
100mg |
約20.8倍 |
約7,760円 |
|
|
ビオチン |
50µg |
100µg |
2.0倍 |
約745円 |
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|
葉酸 |
240µg |
800µg |
約3.3倍 |
約1,242円 |
|
※A社を基準に、「同じ量が入っていたら理論上いくらになるか」を単純計算した参考表です。
A社 60日分 745円(税込) 当クリニック扱い高配合ビタミン 30日分 7,430円(税込)
※実際の価格には、原料、製法、品質管理、流通などさまざまな要素が関わります。
この表からも分かるように、高配合マルチビタミンは、一般的な市販品と比べて、特にビタミンB群の含有量に大きな差があります。
したがって、「価格が高いかどうか」だけで判断するのではなく、中身の濃さと目的の違いをあわせてみることが大切です。
当院が高配合マルチビタミンをおすすめする理由
当院では、高配合マルチビタミンを単なる健康食品としてではなく、
体調管理を支える栄養サポートのひとつとして位置づけています。
特に、次のような方では、栄養の質だけでなく、必要量そのものを見直すことに意味があります。
- 月経前に気分の落ち込みが強い方
- 感情の起伏やイライラが目立つ方
- 神経過敏や不安定さが気になる方
- 疲れやすく、回復しにくい方
- 検査でははっきりしない不調が続いている方
- 食事が不規則で、必要な栄養が十分に摂れていない可能性がある方
高配合マルチビタミンは、薬のように単独で症状を治すものではありません。
しかし、心身を整えるための土台を支えるという意味で、医療の中で活用する価値のある選択肢のひとつです。
よくあるご質問
Q1. 市販のマルチビタミンではだめなのですか?
市販のマルチビタミンがだめということではありません。
日常の健康維持や、軽い栄養補給には役立ちます。
ただ、PMSによる気分の落ち込み、疲労感、イライラ、原因のはっきりしない不調などがある方では、より高い配合量が必要になることがあります。
Q2. 高配合マルチビタミンは、どんな方に向いていますか?
月経前の気分変動、イライラ、神経過敏、疲れやすさ、慢性的なだるさがある方に向いています。
また、ストレスが多い方や、食生活が不規則な方にも適している場合があります。
Q3. なぜビタミンB群がそんなに重要なのですか?
ビタミンB群は、エネルギー代謝だけでなく、神経の働きや気分の安定にも関わっています。
そのため、分子整合栄養医学では、PMSや神経過敏、気分の落ち込みなどに対して、ビタミンB群を十分に補うことが重視されています。
Q4. 高配合だと価格が高く感じます
価格だけを見ると市販品より高く見えますが、含まれている量は大きく異なります。
特にビタミンB群は、市販の一般的な製品より数十倍〜100倍近い量が入っている成分もあります。
そのため、単純な価格比較だけでなく、配合量も含めて判断することが大切です。
Q5. 飲めばすぐによくなりますか?
体感には個人差があります。
また、不調の原因はひとつではなく、ホルモンバランス、睡眠、ストレス、鉄不足、生活習慣なども関係します。
高配合マルチビタミンは万能薬ではなく、体を整えるための土台づくりのひとつとして考えるのが自然です。
まとめ
高配合マルチビタミンは、市販のビタミン剤より高価だから特別なのではありません。
必要な方に、必要な量を、目的をもって補うために設計されていることに意味があります。
市販のマルチビタミンが、毎日の健康維持のための“基本的な補給”だとすれば、
高配合マルチビタミンは、より積極的に体調を整えるための“医療的な栄養サポート”です。
同じビタミンでも、
入っている量が違い、目指している役割が違う。
それが、普通のビタミン剤と高配合マルチビタミンとの大きな違いです。
月経前の不調や、疲れやすさ、気分の不安定さなどが気になる方は、どうぞ外来でご相談ください。
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こすぎレディースクリニック(川崎市中原区武蔵小杉の産婦人科)
院長 椎名 邦彦
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