
講演会参加レポート:RSウイルス「母子免疫」ワクチンを、わかりやすく
2026年2月15日(日)
「RSウイルス母子免疫ワクチンフォーラム(ファイザー)」に参加し、“生まれた瞬間から赤ちゃんの未来を守る” という視点で、RSウイルス対策の最新情報を改めて整理してきました。
そして大きなトピックが、2026年4月から妊婦さん向けRSワクチン(アブリスボ)が公費(定期接種)扱いになることです。
「気になってはいるけど、結局なにが大事?」「いつ打つのがいい?」という疑問が残りやすいテーマなので、患者さん向けにポイントをまとめます。
RSウイルスって、なぜ“赤ちゃんに”注意が必要?
RSウイルスは、咳・鼻水など“普通の風邪”みたいに始まることも多い一方で、低月齢(特に生後6か月くらいまで)の赤ちゃんは重症化しやすく、細気管支炎や肺炎で入院が必要になることがあります。
赤ちゃんは気道が細く、免疫も未熟なので、同じウイルスでも影響が大きく出やすいんですね。
「母子免疫ワクチン」って何をするの?
妊娠中にお母さんがワクチン接種をすると、体の中で作られた抗体の一部が胎盤を通して赤ちゃんへ移行し、生まれた後しばらく赤ちゃんを守る——これが母子免疫です。
つまり、赤ちゃん自身がまだ接種できない時期に、“先回りの防御”を作る考え方です。
2026年4月から「公費(定期接種)」で受けられます
自治体からも案内が出ており、2026年4月1日から妊婦さんへのRS母子免疫ワクチン定期接種が開始、対象条件の範囲で費用は基本無料となります。
※実施医療機関や手続き(予診票など)は自治体ごとに運用があるため、詳細はお住まいの自治体・かかりつけで確認してください。
いつ打つのがいい?(重要ポイント)
定期接種の対象は、原則として
妊娠28週0日〜36週6日(接種日の週数基準)です。
さらに大切なのが、
「接種後14日以内に出生した場合の有効性は確立していない」という注意点。
つまり、早産リスクや予定帝王切開などがある方は、“いつ出産になってもおかしくない”前提で逆算して、余裕を持って相談するのが現実的です。
安全性・副反応は?
一般に、ワクチン後は 注射部位の痛み・腫れ、だるさ、頭痛、筋肉痛、発熱などが起こりえます(多くは一過性)。自治体案内でも副反応として整理されています。
不安が強い方、妊娠高血圧症候群のリスクなど背景がある方は、必ず主治医と相談しながら判断しましょう。
「打った方がいい?」迷ったときの考え方
迷うポイントはだいたいここに集約されます。
- 赤ちゃんを守りたい気持ちは強い(でも初めてのことで不安)
- “いつ打つか”の最適化が難しい(予定日・早産リスク・里帰り等)
- 2026年4月以降は制度が整うので、接種のハードル(費用面)が下がる
結論としては、
妊娠週数が対象に入ったら、健診のタイミングで「いつ打つのが一番リスクが少ないか」を一緒に決めるのが一番スムーズです。
産後にできる対策もセットで(家族全体で守る)
ワクチンは強力な選択肢ですが、赤ちゃんを守るためには「家庭内の持ち込み」を減らす基本策も効きます。
- 兄姉・ご家族の咳鼻水がある時期は、距離と衛生管理を強化
- 手洗い・換気・抱っこ前の手指ケア
- 流行期は人混みの時間帯を少し避ける(無理のない範囲で)
「ワクチン+生活対策」で、守りはさらに堅くなります。
最後に:4月からの定期接種化は“赤ちゃんの医療”の前進
今回のフォーラム参加を通じて、RS対策は「知っているつもり」でも、制度・接種時期・注意点まで含めて整理すると、患者さんの安心につながると強く感じました。
2026年4月から公費化されることで、必要な方がより選びやすくなります。
もし妊婦健診で
「RSワクチン、私は対象?」「いつ打つのがいい?」
と思ったら、遠慮なく相談してください。“赤ちゃんがいちばん弱い時期”を、いちばん守りやすくするために、一緒に最適解を決めていきましょう。
こすぎレディースクリニック
院長 椎名 邦彦

