
先日の2月7日(土)、月経困難症(強い生理痛)をテーマにした講演会にて、こすぎレディースクリニック院長として総括のご挨拶(まとめ)を担当いたしました。
多くの先生方の講演と議論を通して、生理痛の治療は「一律の治療」ではなく、体質や年齢、生活に合わせてより“選べる医療”になってきていることを改めて実感しました。
とくに今回、治療の選択肢として大きな注目を集めていたのが、ジエノゲスト0.5mg(商品名:ディナゲストなど)です。当院でも年々、ジエノゲスト内服の相談・ニーズは増えてきています。
今回は患者さん向けに、できるだけ分かりやすくご紹介します。
生理痛の治療は「生活を守る治療」です
生理痛は毎月くり返すため、学校や仕事、家事など日常生活に大きく影響します。
- 学校を休むほど痛い
- 仕事に支障が出る
- 痛み止めだけでは追いつかない
こうした場合、婦人科では痛み止めに加えて、ホルモン治療という方法で症状を軽くすることができます。大切なのは「痛みを我慢する」ことではなく、生活の質(QOL)を落とさないことです。
低用量ピルが使いにくい方もいます
生理痛の治療薬として、低用量ピルはよく知られています。
一方で、体質や持病などにより慎重な判断が必要になることがあります。
たとえば
- 血圧が高い方
- 前兆(目がチカチカする等)を伴う片頭痛がある方
- 体格や年齢などから血栓(血のかたまり)のリスクが気になる方
もちろん個別の状況で使用できる場合もありますが、こうしたケースでは別の選択肢が重要になります。
ジエノゲストは「黄体ホルモン」のお薬。治療の選択肢が広がりました。
ジエノゲストは、黄体ホルモンという種類のお薬です。低用量ピルと性質が異なるため、ピルが合いにくい方でも治療の選択肢になりやすいことがあります。
今回の講演会では、ジエノゲスト0.5mg製剤の登場で治療の選択肢が広がり、日常診療でも治療を組み立てやすくなったという点が、繰り返し共有されていました。私自身も、患者さんの背景に合わせて「無理なく続けられる治療」を考えやすくなってきたと感じています。
印象的だった“リアルな話”
講演の中で特に印象に残ったのは、演者の先生が話してくださったエピソードです。
小学生のお嬢さんが生理痛で困っていたものの、ジエノゲスト0.5mgを内服することで学校生活が快適になったというお話でした。さらに、身内にも安心して飲んでもらっているという言葉は、同じ悩みを抱える方にとっても大きな安心材料になると感じました。
薬は「効くこと」だけでなく、安心して続けられることがとても大切です。こうした実感を伴うお話は、治療選択を考えるうえで非常に参考になりました。
継続できる治療が、結果的にいちばん強い
生理痛の治療は、短距離走ではなく“生活を整えるための伴走”に近い医療です。思春期から、妊娠を考える時期、更年期に近い年代まで、ライフステージによって悩みは変わります。
当院では、症状だけではなく
- 学校や仕事の状況
- 部活・受験・家庭環境
- 将来の妊娠希望の有無
などもふまえて、一人ひとりに合う治療を一緒に考えます。
最後に:我慢を前提にしないでください
生理痛は「体質だから仕方ない」とされがちですが、つらさが強い場合は治療で改善できる可能性があります。当院でもジエノゲストを含め、選択肢を整理しながら、少しでも患者さんの負担が軽くなるよう診療に取り組んでいます。
今後も定期的な勉強会や情報交換を通じて、最新の情報を取り入れ、悩める患者さんに少しでも寄り添える力になりたいと考えています。生理痛でお困りの方は、どうぞ遠慮なくご相談ください。
よくあるご質問(Q&A)
Q1. どれくらいで効果が出ますか?
A. 早い方では比較的早く「痛みが軽くなった」「生活が楽になった」と感じることがありますが、効果の出方には個人差があります。治療のゴール(学校を休まない、痛み止めの回数を減らす等)を一緒に確認しながら、経過をみていきます。
Q2. 副作用が心配です。どんなことがありますか?
A. どのお薬にも起こり得る変化はあります。ホルモン治療の場合、開始初期に出血のパターンが変わる(少量の出血が続く、月経が不規則になる等)ことがあります。心配な症状がある場合は我慢せず、早めにご相談ください。
Q3. 将来の妊娠に影響はありますか?
A. 基本的には、将来の妊娠に悪い影響が出るお薬ではありません。
むしろ、強い生理痛を我慢し続けるよりも、早めに適切な治療で症状を整えておくことは、将来を見据えたプレコンセプションケア(将来の妊娠に向けた健康管理)という意味でも大切だと考えています。
妊娠を考える時期やご希望に合わせて治療計画は調整できますので、「いつ頃妊娠を考えているか」も含めて遠慮なくご相談ください。
こすぎレディースクリニック
院長 椎名 邦彦

