不妊症外来(不妊症・不育症)
お一人おひとりにあわせた治療をご提案します。
妊娠を考えはじめたばかりの方にお奨めの妊活プログラム(卵巣年齢検査など各種検査・栄養療法・オゾン療法)もご準備しておりますので、お気軽にご相談ください。
不妊症 検査
検査終了後、お一人おひとりにあわせた治療をご提案します。
低温期ホルモン検査 (血液検査)
排卵や着床の過程で重要となるホルモンを検査します。
- FSH(卵巣刺激ホルモン): エストロゲン分泌と卵胞の成熟を促進
- LH(黄体化ホルモン): 急激な分泌で排卵を誘発。排卵後は黄体形成を促進
- プロラクチン: 潜在性高プロラクチン血症など、値が高くなると排卵が起こらなかったり月経不順の原因に
- エストロゲン(卵巣ホルモン): 子宮内膜を厚くし、子宮頸管粘液の分泌を促進
FSHとLH、プロラクチンは月経期に、エストロゲンは月経後の卵胞期に検査を行います。
高温中期ホルモン検査 (血液検査)
排卵や着床の過程で重要となるホルモンを検査します。
- エストロゲン(卵巣ホルモン): 子宮内膜を厚くし、子宮頸管粘液の分泌を促進
- プロゲステロン(黄体ホルモン): 基礎体温を上昇させ、子宮内膜に作用し胚が着床しやすい環境を整える
プロゲステロンは、排卵後の黄体中期に検査を行います。
超音波検査
排卵前の卵胞計測や、子宮内膜厚の測定、卵巣のう腫、子宮筋腫などを確認します。
子宮卵管通水検査
超音波検査下で、卵管の通過性や子宮腔の状態を調べる検査。月経後の卵胞期に検査を行います。
精液検査
不妊症の原因の約40%は女性側、約30%は男性側、約25%は両方にあるとも言われ、男性にも不妊原因があるケースは、約5割近くを占めており、決して少なくありません。精子の数や運動率などを詳細に解析します。
AMH(抗ミューラー管ホルモン)検査 (血液検査)
いわゆる”卵巣年齢検査”と呼ばれる検査です。AMH値は年齢とともに低下することから、卵巣年齢と言われる卵巣の予備機能を、血液検査によって調べます。
甲状腺機能検査 (血液検査)
甲状腺ホルモンの機能を検査します(TSH、FT4、FT3、マイクロゾームテスト)。甲状腺ホルモンは、活性化しすぎても低下しすぎても、受胎能力に影響し不妊の原因となります。
感染症一式検査 (血液検査)
妊娠を考えたタイミングでお奨めしたい検査です。妊娠した場合に母子に影響を与える可能性のある感染症を検査します。(HBs抗原、HCV抗体、梅毒、HIV、クラミジアトラコマティスIgG抗体、風疹ウィルス抗体、トキソプラズマ抗体)
頸管粘液検査
子宮頸管から分泌される粘液で、精子を子宮内へ導く働きがあります。排卵期に分泌の状態を検査します。
ヒューナーテスト
排卵日の前日または当日に性交をしていただき、子宮頸管内への精子の進入度を検査します。性交後12時間以内に検査します。
CA125(子宮内膜症の腫瘍マーカー) (血液検査)
CA125は、子宮内膜症、卵巣のう腫、卵巣がんなどで高い値を示します。採血で、子宮内膜症の可能性などを検査します。
着床不全・不育症の一次スクリーニング (血液検査)
抗リン脂質抗体検査、抗核抗体検査、抗精子抗体検査、甲状腺機能検査、凝固検査。
また、着床過程全般にわたり、内分泌異常、子宮内膜の状態を再度検査します。
不妊症 治療
検査後、お一人おひとりにあわせた治療をご提案します。
妊娠を考えはじめたばかりの方にお奨めの妊活プログラム(卵巣年齢検査など各種検査・栄養療法・オゾン療法)もご準備しておりますので、お気軽にご相談ください。
妊活プログラム
分子整合栄養医学・栄養療法にもとづき、妊娠しやすいカラダづくりに取り組みます。また、冷え性に悩んでおられる方は、オゾン療法(血液のクレンジング)もお奨めです。ドロドロ血液は、妊活にも望ましくありません。オゾン療法で、サラサラ血液を目指しましょう。
米国ISNF認定 ニュートリションサプリメントアドバイザーであり、1万件以上のオゾン療法症例経験を持つ院長がアドバイスをさせていただきますのでご安心ください。
また、妊娠を検討されている方にもうひとつお奨めしたいのは、遅延性フードアレルギー検査です。ご自身の気付いておられないアレルギー因子を知り、食事療法を中心に対策することで、お子さまのアトピーやフードアレルギーリスクを軽減することが可能です。
タイミング療法
超音波卵胞計測、血液ホルモン、尿検査によって、排卵時期を的確に見極め、性交のタイミングをアドバイスします。必要に応じて、排卵誘発や黄体補充療法を行い、妊娠しやすい環境をつくります。
- 排卵誘発 : 内服薬や注射で、卵胞の発育を促し、排卵の確率を高めます。
- LHサージ誘起 : 注射で、成熟した卵胞の排卵を促します。
- 黄体補充療法 : 排卵後の黄体ホルモンの低下は妊娠率を下げる大きな要因のひとつです。内服薬や注射で黄体機能の改善を図り着床率を高めます。
人工授精(AIH)
タイミング療法を数周期行っても妊娠に至らない場合や、精子に何らかの異常がある場合、性交が困難な場合に、人工授精を検討します。洗浄濃縮精子を子宮内に直接注入し、卵子と精子が出会える確率を高めます。
人工授精の進め方
- 月経5日目
- 必要に応じて、排卵誘発(内服・または注射)を実施
- 月経10-12日目
- 超音波検査、血液ホルモン、尿検査にて、排卵時期を特定
- 月経12日目
(排卵前日-当日) - 人工授精実施
- ご自宅で精子採取・持参
- 精子を洗浄・濃縮(1時間程度)
- 人工授精実施
- 内診台にて人工授精後2分程度過ごして頂き終了
- 人工授精後
- 黄体機能が低下している場合、黄体補充療法(内服、注射)を実施し、着床率を高めます。
- 月経予定
開始日以降 - 妊娠判定。人工授精から約2週間後、
尿または採血でhCGホルモンを測定し診断します。
体外受精(ART)
人工授精を数回行っても妊娠に至らない場合、体外受精をご希望される場合、提携施設をご紹介させていただきます。院長は、大学病院時代より長年体外受精治療に携わっており、的確な判断を致します。提携施設とも密接に連携いたしますので、ご安心ください。
不育症 検査と治療
一般的に流産率は15%と言われており、年齢が上がるに伴いその率は上がっていきます。35歳では約20%、40歳では約40%、42歳ではおよそ半分の方が流産に至ってしまうという現実があります。
3回以上流産を繰り返す方は、妊娠初期の方の約0.8%と言われており、3回以上流産を繰り返すことを一般に『習慣流産(※)』と呼びます。この場合、母体の体質異常を疑い各種検査を行います。(※習慣流産は医学用語です。厚労省の提言によると、不育症とは2回以上の流産・死産の既往がある場合となっておりますが、厳密には不育症は医学用語ではありません。)
不育症の原因としては、甲状腺の病気や糖尿病などの内分泌の異常、膠原病のように血液が固まりやすくなる血液凝固の障害、抗リン脂質抗体症候群など免疫の異常、子宮筋腫などの子宮そのものに見られる異常などがあげられます。
原因を特定できれば、それに対して治療を行います。
例えば、血液凝固異常の状態になっている女性に対しては、抗凝固剤である小児用バファリンなどを定期的に飲んでいただくことにより、妊娠初期を問題なく過ごすことができ、生児を得ることができたという例も多くあります。
一方で、不育症の約7割は原因不明と言われています。
これらのケースは、染色体異常と推測されるものの、検査による特定ができないため、原因不明と言われている次第です。
以下をご覧ください。着床に至る前の段階まででも、単純計算で、卵子の三分の二は何らかの染色体異常を持つということになるわけです。私たちが、この世に生を受けることができたのは奇跡であり、命の尊さを改めて知る瞬間です。
卵子の染色体異常(自然淘汰)
受精前の時点: 全卵子の約25%が染色体異常と言われる
受精時点: 約40%が染色体異常のために胚分割を行えない
着床前の時点: 約25%が染色体異常を持つと言われる
ようやく妊娠に至ったのに、流産を繰り返すのは、本当につらいことです。
妊娠初期の方で2回流産を繰り返す方は、約4%と言われています。(一般に反復流産と呼ばれます。)しかし、2回流産を経ても次回の妊娠で健康児を出産される方は約8-9割、3回の流産を経ても次回健康児を出産される方も約5-6割いらっしゃると言われています。
心のケアを含めて、ご一緒に向き合っていけましたらと思います。